障害年金申請のための準備

まだまだ認知度の低い障害年金。

障害年金とは、ケガや病気などにより、仕事をすることや日常生活に支障がある方に向けて年金を支給する制度のことです。

                 この「障害年金」の申請は最初が大事!

 まずは障害年金申請に必要な知識をちゃんと持ち、しっかりと準備した上で申請を試みましょう。

障害年金申請前に準備すること

◆ 初診日における年金加入・保険料の納付状況を確認(国民年金保険料については、納付日等も要確認です)

◆ 障害認定日における障害の状態を確認(日常生活での支障度や労働能力の制限度合などについてです)

◆ 「受診状況等証明書」(初診日の証明)を医師に作成してもらう(傷病の確定診断を受けた病院ではありません)

◆ 「診断書」を主治医に作成してもらう(医師に現在の状況を十分お伝えし、診断書に反映することがポイントです)

◆ 「病歴・就労状況等申立書」に必要事項を記入(診断書等医証との整合性を保つ必要があります)

◆「現況申立書」(任意様式)を作成(日常生活の支障度や困難さなどについて申し立てをする)

書面審査

障害年金の申請行うと、日本年金機構で審査が行われますが、医師を含めた審査担当者と申請者との面接などはなく、一切が提出した書類の内容だけで判断されます。 

1⃣診断書の重要性

申請書類が、審査担当者に障害の状態を十分に伝える内容になっていることがとても大切です。中でもカギを握る書類は医師が作成する「診断書」です。

2⃣診断書との整合性

申請者が作成する「病歴・就労状況等申立書」の記載内容が、診断書と整合性が取れている必要があります。

3⃣診断書の依頼とチェック

審査は書面審査(原則)です。この書類の中で、最も重要視されるのが、医師が作成する診断書です。診断書の記載内容により、障害の程度、日常生活の困難度、社会性、労働能力などが総合的に判断され、障害年金の支給、不支給や障害等級の決定が行われます。

4⃣病歴・就労状況等申立書の作成

申立書は、診断書や受診状況等証明書(初診証明書)とともに障害年金の申請には不可欠な書類です。この書類は、日常生活や労働能力等について、自分自身の状況を申し立てるものですが、診断書との整合性を図ることや記入上のルールもあり、経験がないと適切な書類を作るのは困難です。

5⃣現況申立書の作成

病歴・就労状況等申立書の書式では、日常生活の支障度(困難度)を十分に記載することができません。特に精神疾患に係る申請においては、審査のポイント(日常生活能力の判定)に応じた申立書(任意書式)の作成が必要不可欠です。

障害年金と障害者手帳

障害年金と障害者手帳は、それぞれの法律で規定されており別の制度です。申請窓口や審査機関も異なります。しかし、「手帳と年金の等級は同じである」「手帳がなければ年金の申請もできない」などと誤解されている方は結構いらっしゃいます。 障害者手帳は各地方自治体で交付しておりますので、詳しくはお住まいの市区町村にお問合わせください。

障害者手帳が無くても障害年金の申請は出来ますので、手帳を持っていないことを心配する必要はありません


【障害者手帳】

障害者手帳は、病気や怪我によって日常生活に支障がある方に交付され、この手帳を提示すると交通機関での運賃が割引になったり、施設の入場料が割引になったりと、各種サービスが受けられます。障害者手帳には「身体障害者手帳」「精神障害者保険福祉手帳」「療育手帳」の3つの種類があります。

【障害年金】

障害年金は、上記と同じく病気や怪我によって日常生活に支障がある方に向けての支援制度で、老齢年金・遺族年金と並ぶ公的年金の一つです。年金保険料によって賄われているため、一定以上保険料を納付していなければもらうことができません。(20歳になる前に障害を負った方は例外です。)

1⃣身体障害者手帳(1級~7級)

病気やケガの結果、障害の程度や日常生活活動の支障により認定されます。等級は1級から7級まであり、6級以上だと手帳がもらえ、各種サービスが受けられます。*7級は複数の障害があると手帳がもらえます。

  

  よくある誤解

「身体障害者手帳が1級だから、障害年金も1級ですよね?」と、しばしば聞かれるのですが、単純にそうはなりません。別の制度ですから、それぞれ申請しなければなりませんし、認定基準も異なります。障害者手帳も障害年金も「1級、2級」と、等級の言い方が同じなので、このような誤解が生じてしまいます。単なる勘違いで済めばいいのですが、中には重大な誤解に発展してしまうことがあります。

 

   例えば、人工弁の移植をすれば障害者手帳は1級ですが、障害年金は原則3級です。人工肛門(ストーマ)の造設をすると手帳は4級、年金は3級です。人工弁の移植をされた方は、手帳が1級ですから「障害年金は出るかな?」と、どこかへ相談されるかもしれません。しかし、人工肛門だと手帳が4級なので「障害年金は1~3級まで」ということを何かで知ってしまうと、「4級じゃ年金はダメか」と思ってしまって、どこにも相談せずにあきらめてしまうおそれがあります。

 

  人工弁も人工肛門も、初診日が厚生年金または共済年金加入中で、65歳未満の方であれば障害年金3級の受給権が発生します(65歳以上でも発生する場合はあります)。初診日が国民年金加入中または年金未加入期間であっても、60~65歳未満の障害者特例が生かせるかもしれません。人工関節、人工骨頭だと手帳は4級以下ですが、年金は原則3級です。

 

  このように、「手帳の等級が4級以下だと障害年金は出ない」と思い込んでしまったり、誰かから言われたりして、どこにも相談されていない人も多いのではないかと思います。 原則、障害年金は65歳になる前に請求することになっておりますが、例外もありますので、お早めにご相談されることをお勧めします。

  
 
平成26年4月に身体障害者手帳の障害認定基準が改正になりました

ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)は、改正前は一律1級だったのが、改正後はペースメーカー等の依存度や日常生活の制限の程度において、1級・3級・4級のいずれかに認定されることになりました。先天性疾患(18歳未満で心疾患を発症した方)により体内に入れた方、人工弁移植、弁置換を行った方は従来通り1級です。

人工関節(人工骨頭)の認定基準も改正になり、術後の安定した時点での関節可動域等に応じて認定することになりました。・股関節・膝関節は、(改正前)4級 ⇒ (改正後)4級・5級・7級・非該当のいずれか。・足関節は、(改正前)5級 ⇒ (改正後)5級・6級・7級・非該当のいずれか。 障害年金も医学薬学の進歩により認定基準は随時改正されますが、平成28年3月現在、ペースメーカー・ICD・人工弁・人工関節・人工骨頭は原則3級です。(症状によっては2級になる場合もあります。)

  

 2⃣精神障害者保健福祉手帳(1~3級)

何らかの精神疾患(てんかん、発達障害を含みます)により、長期にわたって日常生活または社会生活への制約がある方が対象となり、一定の障害があることを証明するものです。手帳を持っていることにより様々な支援を受けることができますので、精神障害を持つ方が自立して生活し、社会参加の促進をはかることを目的としています。ただし、知的障害があり精神疾患が無い方については療育手帳の対象になりますので、精神障害者手帳の対象とはなりません。知的障害と精神疾患を両方有する方は、両方の手帳を申請することができます。

 

 申請は精神障害に係る初診日から6ヵ月を経過してからです。途中で病名が変わったり転院があっても、因果関係があれば通算できますので、診断書を書く医師にご相談ください。診断書に初診日を書く欄がありますので、その日から6ヵ月を経過していれば申請可能です。 等級は1~3級まであります。

身体障害者手帳とは違い、精神障害者手帳の1~2級は障害年金とほぼ同じ基準とされており、3級は障害年金より対象が広くなっています。そのため、障害年金を申請するにあたって、精神障害者手帳の等級は「ある程度」参考になりますが、必ずイコールになるわけではありません。

  

  精神障害者手帳は診断書なしで障害年金の等級に合わせてくれる

障害年金を申請する方で精神障害者手帳をまだお持ちでない方は、障害年金の決定を待ってからであれば手帳用の診断書が不要(診断書代の節約)になります。ただ、障害年金が決定すれば自動的に手帳が届くわけではなく、手帳の申請は必要です。そのとき、役所が年金機構に障害年金受給の確認を取りますので、障害年金の年金証書や年金振込通知書の添付が求められます。(タテ4㎝ヨコ3㎝の写真も必要になります)

  

   精神障害で障害年金(特別障害給付金を含む)の支給が決定された後に精神障害者手帳取得の手続きをすれば、同じ等級の手帳がもらえます。しかし、これとは逆にすでに精神障害者手帳を持っているからといって、同じ等級で障害年金の支給が決定されるわけではありません。あくまでも、障害年金は障害年金用の診断書を日本年金機構へ提出して審査を受ける必要があります。その結果、手帳とは違う等級で決定される可能性はあります。

 

  精神障害者手帳の有効期間は2年で、期限が切れる3ヵ月前から更新手続きができます。同時に、自立支援医療受給者証(医療費の自己負担割合が、通常3割のところ原則1割に軽減される制度)の申請を行うこともできます。

  

  精神障害者手帳の更新時にも年金証書を添付すれば、診断書の添付を省略することが出来ます。これに対して、自立支援医療受給者証の更新手続は毎年必要ですが、2年に1度診断書の添付が求められます。

 

 このとき、年金証書を診断書の代わりに使用することは出来ません。つまり、「手帳は年金証書で更新できる」が、「自立支援は2年に1度診断書が必要」ということです。

 

 3⃣療育手帳(等級の区分は各自治体により異なります)

知的障害のある方が一貫した教育・援護を受け、さまざまなサービスや優遇措置を受けやすくすることを目的としたものです。 岡山市では、障害の程度に応じてA(最重度・重度)・B(中・軽度)の区分があります。 療育手帳をお持ちの方は療育指導や、在宅サービス・施設サービス(通所・入所)などを利用できます。

【申請場所】  ●こども総合相談所の判定(18歳未満の方)  ●障害者更生相談所の判定(18歳以上の方)

 

 知的障害(精神遅滞)で障害基礎年金を申請する場合

知的障害で障害年金を申請するには、早くても20歳になってからになります。障害年金は初診日が重要ですが、先天性の知的障害の初診日は出生時とされておりますので、初診日証明(受診状況等証明書)は不要です。20歳の誕生日前日を「満20歳」とみなしますので、その日が障害認定日になります。そこで申請する場合は、障害認定日の前後3ヵ月以内の症状が書かれた診断書が必要です。

申請窓口は市区町村の国民年金担当窓口といわれておりますが、年金事務所でも構いません。全国どこの年金事務所でも受け付けてくれますが、年金事務所で手続きする場合は請求者の所得証明書(課税または非課税証明書)が必要になります。これに対して、住所地の役所で手続きをする場合、役所で請求者の所得が確認できれば、同意書を書くだけで所得証明書は不要になります。