診断書の記載ポイントは、日本年金機構より、

「障害年金の診断書を作成する医師の方へ」が公表されています⇒詳細はこちら


医師が作成する診断書が、大きな鍵を握っています

そこで、医師に診断書を依頼するときに注意しておく事項について、解説します。

 

障害年金の診断書様式は8種類あり、診断書は様式番号ではなく、機能障害のある身体部位名がつけられているため

(眼の障害、肢体の障害等々)病名で診断書が決められるのが通常です。

 

日常生活での症状や支障等を認定医等へ正しく伝えるためには、適切な診断書様式の選択が重要です。

例えば、発症の少ない「難病」では「その他障害」の様式が一般的に使われますが、「その他」ではなく機能低下が

顕著な部位の診断書様式(例えば肢体の障害用)での請求が認定上有利となる場合があります。

 

認定上診断書が重要だからこそ、提出する診断書様式も事前に検討することが必要です。

主治医とのコミュニケーションが大事です

上手く説明できなくても障害年金を受給したいことを誠実に話されることが重要なのではないでしょうか

 

先生の理解と協力なしには適切な診断書はできないのですから。窓口に診断書の用紙を渡すだけの「丸投げ」は避けるべきです。主治医に診断書作成を拒まれた場合、その理由を確認することです。納得できない場合は、ご自身の状態が認定基準の等級に該当するのかをご家族など親しい方の意見をお聞きになられたり、障害年金専門の社会保険労務士に相談されることをお勧めします。

主治医に診断書を作成してもらったら、まずはその内容を確認しましょう

主治医は医学の専門家ですが、障害年金の診断書作成を苦手とする方も多いようです

 

そして、多忙でその他の書類作成も非常に多く、誤記等も見受けられます。誤字等含めて、現症日付けや発病日、初診日欄の確認根拠の明記等の不備があると年金事務所では受理されないことになりますから確認必須項目です。何度も年金事務所や病院を往復することになります。(誤字等には作成医の訂正㊞が必要)

「診断書の内容・評価が自分とは違いすぎる。」と思われるときは主治医に確認されるのが良いでしょう。主治医もあなたの生活を全てご存知ではないでしょうし、逆にあなたは重症だと思っても主治医の見解と相違することもあり得ます。まずはコミュニケーションが大切です。障害年金の診断書だけでなく、現状、今後の治療などについて理解を深めることは決して無駄な時間ではないはずです。

診断書のチェック

下記の項目は要チェックです

(1)診断書に係る「診断書の作成年月日」、「医療機関の名称及び所在地」、「診療担当科名、医師の氏名及び押印」の記入

漏れがないようにします。

(2)診断書の氏名欄から計測欄までの欄は漏れなく記入する必要があります。

(3)「障害の状態」の欄について

①赤字で印刷された欄の日付に記入漏れがないか確認します。

 現症年月日は、「障害認定日請求」の場合、障害認定日より3カ月以内の現症で作成します。また、「事後重症請求」の場

合、請求時点から3カ月以内の現症日で作成します。

⓶一般状態区分表に日付記入や該当項目に〇で囲みます。

③障害の状態欄での臨床所見、検査所見、諸検査、その他の項目に記載漏れがあってはいけません。なお、審査に関係ない項目には斜線を入れます。

(4)「日常の生活能力・労働能力」の欄は、審査で大変重要です。

  日常生活はどのような状況か、どの程度の労働ができるのかが記載されていなければいけません。

(5)「予後」の欄は、必ず記入が必要です。

精神障害用診断書のチェック

診断書の表面について

精神の障害用の診断書を例にとって説明しますと、まず表面の一番上の二行に氏名、生年月日、住所の記載欄があります。この部分に誤りがないかどうかを確認しましょう。

 

次に重要な部分は診断書表面の上の方にあるのために初めて医師の診療を受けた日」の日付と日付の横にある「診療録で確認」「本人の申し立て」「年月日」についての記載です。

 

このの日付については、診断書の作成病院と初診日の病院が違う場合には、初診の病院が作成した受診状況等証明書の初診日の日付と同じ日付になっていなければなりません。よくある間違いで現在受診している病院の初診日が記載されてしまうことです。

現在受診している病院の初診日と最初に病院を受診した日(欄に記載する「初診日」)とは違うことが多々あります。

 

さらに、「診療録で確認」または「本人の申し立て」のどちらかに丸印がなければならず、「本人の申し立て」に丸印がある場合にはその下の「年月日」に申し立ての日付の記載が必要となります。

次に、欄の発病から現在までの病歴及び治療の経過、内容就学、就労状況と期間その他の参考となる事項」欄の上にある陳述者の氏名、請求人との続柄、聴取年月日についての記載漏れがないかを確認します。本人以外の親族(親)からの聞き取りの場合、続柄が記載されていないケース、フルネームで記載されていないケースなどが散見されます。また、聴取年月日について記載漏れがある場合が多くあります。 

さらに、欄の記載内容と聴取年月日に矛盾がある場合もあります。例えば、聴取年月日が平成28年7月20日になっているにもかかわらず、診断書に平成29年の病状について記載がされている場合は、聴取年月日に誤り(矛盾)があるとみなされます(平成29年の病状については、平成28年7月20日には聴取することはできないからです)。

 

欄の診断書作成医療機関における初診時所見の欄」と「欄の障害の状態の欄」の赤い字で記載されている年月日の欄は、必ず記載していなければなりませんので、この部分に日付の記載がなされているかどうかを確認しなければいけません。

診断書の裏面について

裏面の-2日常生活能力の判定の部分は、障害年金を受給するに当たって大変重要な部分になります。

1)適切な食事から(7)社会性までの7項目がそれぞれ4段階にわかれてチェック欄があります。4段階のチェック欄は右に行くほど重い病状になります。

 

このチェックにも一定の基準がありますが、いずれにしてもご自身の病気がいかに日常生活に支障が生じているかについて、診断書のこの部分に反映されていなければいけません。

もし、担当の医師が作成した診断書の当該項目のチェックが現実の病状と比べて軽く書かれている場合は、担当医に相談して変更してもらう必要があります。

 

裏面の-3日常生活能力の程度の欄も障害年金用の診断書の中で大変重要な部分になります。

こちらは「精神障害の欄」と「知的障害の欄」とに分かれていますので、どちらかの欄にチェックを入れなければいけません。こちらの欄は15までの5段階に分けて丸をすることになっています。この部分に関しても担当医が〇を付けた病状と現在のご自身の病状を比較してみて、もし実際の病状よりも軽い部分に〇がされている場合には、担当医と相談する必要があります。 

 

裏面の下の方に欄~がありますが、このうち、(必ず記入してください。)と記載されている欄と欄は必ず担当医に記載してもらわなければなりません。まれにこの欄が空欄になっている場合がありますので注意が必要です。

 

欄は現時点での日常生活能力及び労働能力について記載する欄ですが、二つの能力(日常生活能力・労働能力)は、障害年金の審査で大変重要な項目となります。

このため、医師が記載したこれら生活能力と労働能力については、ご自身でもよく確認しもし実態と異なるような記載がされている場合には、担当医師と相談する必要があります。

 

欄の予後に関しては、今後病気が回復改善していく可能性があるのか、それともあまり回復改善する可能性や見込みがないかについて記載する欄です。 担当医師にとっても当該欄を記入することは難しい場合もありますが、多くは「不明」「予後不良」や「回復する見込みはあまりない。」などと記載されます。

障害年金は現在の病状だけではなく、少なくとも今後1年の病気の回復、改善可能性も加味しながら支給すべきかどうかが審査されますので、その点を考えますとこの欄「予後」についても診断書の中では重要な部分といえます。