更新と額改定

障害年金には、「有期認定」(精神疾患など)と「永久認定」(身体欠損など)の二種類があり、有期認定の場合は、病名や本人の病歴、病状、年齢等の要素を元に1年〜5年の範囲で決められます。よって、有期認定の障害年金を受給されている方は数年おきに更新の手続きが必要です。

障害年金は「障害の状態」が障害等級に該当する限り支給が継続されます      まず年金証書を確認しましょう 


具体的には、障害年金の支給が決まった際に送られてくる年金証書の記載の期限ごとに障害状態確認届を提出し、その結果によって今後の障害年金の継続の可否や等級の変更が決定します。

また、障害状態確認届の提出指定日は本人の誕生日の末日(20歳前障害の場合は毎年7月末日)となっており、誕生月の前月末日に(20歳前障害の場合は毎年6月末頃)に日本年金機構から本人宛に「障害状況確認届」が郵送でご自宅に送られてきます。 

受け取ったら、医師に「障害状態確認届」の診断書を記載してもらうよう依頼してください。誕生月の末日までに提出する必要があります。)

その際、前回の診断書のコピーと日常生活の状況(文書を作成)を参考にしてもらうといいでしょう。

依頼する際、受け取る際の注意点

 精神疾患の場合、傷病名にICD-10コードが記入されているか。

「発育・養育歴」「教育歴」「職歴」は初回の診断書と同じ内容を記載してもらってください。

「福祉サービスの利用状況(障害者自立支援法に規定する自立訓練、共同生活援助、共同生活介護、在宅介護、その他の障害福祉サービス等)」欄は記入漏れなどがないよう注意してください。

特に、障害年金を受給するようになって福祉サービスを利用し始めた方は、医師にその状況をきちんと伝えてください。

診断書が間に合わず提出が翌月になったり、「障害状態確認届」の用紙が早く届いて、誕生月の前月の日付で診断書を作成した場合などは、日本年金機構から問い合わせがあったりします。必ず、誕生月の診断書を発行してもらってください

 提出先】

 障害基礎年金:市区町村役場の国民年金担当課

 障害厚生年金:年金事務所

 

※受診予約のタイミングや診断書作成に要する日数によっては、期限までに提出できないことがあります。その場合には 診断書の備考欄に遅延理由を記載してもらうと良いでしょう。

提出後約3カ月で結果が到着

 等級に変化がない場合:「次回診断書提出年月のお知らせ」というハガキが郵送されます。

 障害等級が変わる場合:「支給額変更通知書」が郵送されます。 

更新時に注意すべきポイント

更新時、診断書の内容によっては等級が変わったり、支給が止まったりすることがあります。まず、診断書を受け取ったら、前回の診断書の内容と比較することが大事です。自分では引き続き障害の状態が悪いと思っていても、診断書には症状が改善していると記載される場合もあります。

特に前回と異なる医師が診断書を作成した場合には注意が必要です。医師によって判断が異なるケースもあり、障害状態の評価や症状の書き方が変わってしまう可能性があるのです。

 

「障害状態確認届」(更新用の診断書)のチェックポイントは「前回の診断書の記載時との比較」という項目があり、「1 変化なし」「2 改善している」「3 悪化している」「4 不明」のいずれか一つに必ず○が付けられていることを確認してください。  

 

最初に提出した診断書との違い

  

障害状態確認届は別名「現況診断書」といわれるように、障害の状態を確認するための診断書です。障害状態確認届は裁定請求の時に出した最初の診断書とは下記の点が違います。

「傷病の発生年月日」「初めて医師の診察を受けた日」「症状が治ったかどうか」等の欄がない

「発病から現在までの病歴云々・・・」の欄が、「最近1年間の治療内容、期間、経過云々・・・」の欄に換わります。

③治療歴の括弧に「最近5年間の治療歴をご記入ください」という欄が設けられていること等

 なお、更新期限を過ぎても提出がなく、再度提出する場合には、新規申請用の診断書の提出を求められます。(新規申請用の記載内容にあわせて記載が必要)

 

確認届を提出しないと提出指定日の属する月の翌月後、最初に到来する定期支払い分から、提出するまで年金の支払いが差し止められます!が、再提出すれば止まっていた分はまとめてもらえます。

額改定請求

障害年金を現在もらっている方で、障害の状態が悪化した場合、原則、等級の見直し(年金増額)を請求できます。その請求を額改定請求と言い、診断書の現症日から1ヶ月以内に額改定請求書といっしょに年金事務所(障害基礎年金は市町村役場でも可)に提出します。等級の変更が認められたときは請求日の翌月から障害年金の額が変更されます。

額改定請求の待機期間の一部緩和

「年金機能強化法」(「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」)の一部が平成2641日から施行され、障害年金を受給している方の障害の状態が増進した場合に、障害年金の額の改定を求める請求が、「障害の程度が増進したことが明らかである場合」として省令で定められた次の場合には、1年を待たずに請求できることになりました。

 (改正前は、障害年金の受給権を取得した後または障害の程度の診査を受けた日から1年経過後にできることとされていました) 障害年金を受給している方は、定期的(有期認定の場合)に診断書を提出することが必要です。その時に以前と比べて障害の程度が悪化しており、上位の等級に該当する場合は等級が更新されます。

しかし、額改定請求はその更新を待たずに、等級の見直しを請求することができます。特に永久認定の場合は、定期的な診断書の提出が不要となっているため、障害が悪化しているのにも関わらず、そのままの等級でいる場合があるので注意が必要です。

額改定請求は医師の診断書と共に「障害給付額改定請求書」を年金事務所または年金相談センターに提出する必要があります。なお、障害基礎年金を受給している方は、市区町村役場の国民年金担当窓口に提出することも可能です (改正前は、障害年金の受給権を取得した後または障害の程度の診査を受けた日から1年経過後にできることとされてました)

額改定請求については、以下のように原則定められています。

 

パターン

額改定請求ができる日

新規で受給できるようになった場合

原則、受給権の取得日から1年後の翌日から請求可能。

更新のときに額改定された場合

診査日(改定日)から1年後の翌日から請求可能。

更新のときに等級が変わらなかった場合

いつでも請求可能。

額改定請求した場合

額改定請求日の1年後の翌日から請求可能。

支給停止中の場合

額改定請求ではなく、「障害給付支給停止自由消滅届」を提出することで、いつでも請求可能。

過去に同じ障害で2級以上に一度も該当していない障害厚生年金3級の受給者

65歳の誕生日の前々日まで請求可能。

 

しかし、「障害の程度が増進したことが明らかである場合」においては、以下の22項目に該当した場合には、1年以内の期間中であっても申請ができることになりました。

 

1年を経過しなくても額の改定を請求できる場合

眼・聴覚・言語機能の障害

1

両眼の視力の和が0.04以下のもの

2

両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの

3

8等分した指標のそれぞれの方向につき測定した両眼の視野がそれぞれ5度以内のもの

4

両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの、かつ、8等分した指標のそれぞれの方向につき測定した両眼の視野の合計がそれぞれ56度以下のもの

5

両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの

6

両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの

7

喉頭を全て摘出したもの

肢体の障害

8

両上肢の全ての指を欠くもの

9

両下肢を足関節以上で欠くもの

10

両上肢の親指および人差し指または中指を欠くもの

11

一上肢の全ての指を欠くもの

12

両下肢の全ての指を欠くもの

13

一下肢を足関節以上で欠くもの

14

四肢または手指若しくは足指が完全麻痺したもの(脳血管障害または脊髄の器質的な障害によるものについては、当該状態が6月を超えて継続している場合に限る)

内部障害

15

心臓を移植したものまたは人工心臓(補助人工心臓を含む)を装着したもの

16

心臓再同期医療機器(心不全を治療するための医療機器をいう)を装着したもの

17

人工透析を行うもの(3月を超えて継続して行っている場合に限る)

その他の障害

18

6月を超えて継続して人工肛門を使用し、かつ、人口膀胱(ストーマの処置を行わないものに限る)を使用しているもの

19

人工肛門を使用し、かつ、尿路の変更処置を行ったもの(人工肛門を使用した状態および尿路の変更を行った状態が6月を超えて継続している場合に限る)

20

人工肛門を使用し、かつ、排尿の機能に障害を残す状態(留置カテ-テルの使用または自己導尿(カテーテルを用いて自ら排尿することをいう)を常に必要とする状態をいう)にあるもの(人工肛門を使用した状態および排尿の機能に障害を残す状態が6月を超えて継続している場合に限る)

21

脳死状態(脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至った状態をいう)または遷延性植物状態(意識障害により昏睡した状態にあることをいい、当該状態が3月を超えて継続している場合に限る)となったもの

22

人工呼吸器を装着したもの(1月を超えて常時装着している場合に限る)