精神の障害に係る等級判定ガイドライン

 

障害年金の審査は等級判定ガイドラインが基準!

 

 精神障害及び知的障害の認定において、地域差による不公平が生じないようにするため、厚生労働省において「国民年金・厚生年金保険精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が策定され、平成2891日から実施されています。このガイドラインは、厚生労働省ホームページに掲載されています。詳しくはこちら

等級判定の際に考慮される要素

以下は等級の判定に考慮される事項です。該当する場合は診断書に必ず記載してもらいましょう。

 

1⃣症状または状態

 適切な治療を行っても症状が改善せずに、重篤な躁やうつの症状が長期間持続したり、頻繁に繰り返している場合は、1級または2級の可能性を検討する

ひきこもりについては、精神障害の病状の影響により、継続して日常生活に支障が生じている場合は、それを考慮する

アルコールや薬物などの依存症については、精神病性障害を示さない(離脱・禁断症状がない)急性中毒の場合や、明らかな身体依存がみられるか否かを考慮する

 2⃣療養状況

 病棟内で、本人の安全確保などのために、常時個別の援助が継続して必要な場合は、1級の可能性を検討する

在宅で、家族や重度訪問介護等から常時援助を受けて療養している場合は、1級又は2級の可能性を検討する

 3⃣生活環境

 一人暮らしか、誰と住んでいるか。友人や就労先の人との会話はどの程度まで可能か。

 一人暮らしであっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)は、それらの支援の状況(または必要性)を踏まえて、2級の可能性を検討する

支援が常態化した環境下(入所施設やグループホーム、日常生活上の援助を行える家族との同居)では日常生活が安定している場合でも、単身で生活するとしたときに必要となる支援の状況を配慮する

 4⃣就労状況

 就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型若しくはB型)及び障害者雇用制度による就労、就労移行支援については、1級または2級の可能性を検討する

障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討する

一般企業(障害者雇用制度による就労を除く)での就労の場合は、月収の状況だけでなく、就労の実態を総合的にみて判断する

発病後も継続雇用されている場合は、発病前の就労状況を参照しつつ、現在の仕事の内容や仕事場での援助の有無を配慮する

出勤状況への影響(頻回の欠勤・早退・遅刻など)や、仕事場での臨機応変な対応や意思疎通に困難な状況が見られる状況を配慮する

「知的障害」、「発達障害」の等級判定の際に考慮すべき要素

「知的障害」、「発達障害」の等級判定の際に考慮すべき要素は次のとおりです。

知的障害の場合

知的障害の場合、以下は診断書に記載が必要です。漏れがないように医師に記載をお願いしましょう。

知能指数(IQ

不適応行動(ひきこもりなど、周囲の状況にあわせて自分の行動をコントロールできずに周囲を困惑させたりする行動)の有無とその詳細

発育・養育歴、教育歴、特別支援教育、又はそれに相当する教育歴

また、下記に該当する場合はそれぞれ等級判定に影響しますので、必ず診断書に記入してもらいましょう。

療育手帳の判定区分が中度以上(知能指数がおおむね50以下)の場合は1級または2級の可能性を検討する。

それより軽度の判定区分である場合は、不適応行動等により日常生活に著しい制限がある場合は、2級の可能性を検討する。

療育手帳が無い場合、幼少期から知的障害があることが養護学校や特殊学級の在籍状況、通知表などから客観的に確認できる場合は、2級の可能性を検討する。

発達障害の場合

発達障害の場合、以下に該当する場合は等級判定に影響します。必ず診断書に記入してもらいましょう。

知能指数が高くても日常生活能力が低い(特に対人関係や意思疎通を円滑に行うことができない)こと

不適応行動(ひきこもりなど、周囲の状況にあわせて自分の行動をコントロールできずに周囲を困惑させたりする行動)があること

臭気、光、音、気温などの感覚過敏があり、日常生活に制限が認められること

就労状況について、執着が強く、臨機応変な対応が困難である等により常に管理・指導が必要なこと

発育・養育歴、教育歴、専門機関による発達支援、発達障害自立訓練等の支援など

知的障害を伴う発達障害の場合、発達障害の症状と療育手帳の内容

知的障害を伴わない発達障害の場合、社会的行動や意思疎通能力の障害の有無とその詳細

青年期以降に判明した発達障害については、幼少期の状況、特別支援教育またはそれに相当する支援の教育歴

療育手帳の判定区分が中度より軽い(知能指数がおおむね50以上)場合は、発達障害の症状により日常生活に著しい制限が認められれば、1級または2級の可能性を検討する。

他の従業員との意思疎通が困難で、かつ不適切な行動がみられることなどにより、常に管理・指導が必要な場合は、2級の可能性を検討する。

 一人暮らしの場合の注意点

精神疾患の認定には「日常生活にどの程度支障がでているか」といったことが大きな判断基準になります。そのため、一人暮らしをしている場合は症状が軽いとみなされてしまうことが多いようです。

 一人暮らしであっても、別居の家族の援助や福祉サービス(※)を受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)は、診断書の裏面「キ 福祉サービスの利用状況」の欄に必ず記入してもらうようにしましょう。

  

(※)福祉サービスの例

家事代行サービス、訪問介護、訪問看護、ケアホーム、自立訓練、就労移行支援など

  

障害等級の目安